最近は、夜になると雨が降ってくる
昼の間に街に充満した色んな悲しみや、憎しみ、苦しみを洗い流してくれるような雨が降ってる
そんな夜はなんだかすごく、心に沁みるんだよね
傘をささないで濡れながら歩くのが好きで、よく小さい頃からそうしてきたもんだ
鼓膜の疲れをとってくれるような、雨の音しか聞こえない静まり返った街が好きなんだ
ある人と、再会をした
昔と変わらない、お互いにわかってる関係が懐かしかった
もう会うことはないと思ってた
丸、8年近く、お互いの時間を過ごした
ふとした時に、いつも顔が浮かんでた
だから会わなくたって平気だった
むしろ、神様がいたなら、わざと会わないようにしてくれていたんだろうな
会った瞬間に
あの頃に戻ってた
あれから数年、少しは成長したと思ってた自分は、何も変わっていないことに気が付いた
好きな飲み物も、ふとした仕草も分かる
心は見えないところでいつも繋がっていたことに気が付いた
現在進行系の関係が、あの頃から続いたままだった
そんな夜を過ごした、優しい雨の夜の話